main

□汗と汗と、
2ページ/7ページ

「…んなのいいだろ!気分だよ!気分!」
でも何故か山本に誉められて嬉しい。
俺も大概ヤキが回ったな。
だが恥ずかしいことにはかわりはない。顔が火照っているのも風呂のせいだけじゃないはずだ。
そうだ。サウナいこう!
山本はサウナにはいつも来ない!
そそくさと髪も洗い流すと、すぐにサウナへ向かう。すると俺の後ろから声が飛んできた。
「隼人―サウナ―?俺もいくから待って!」
「はぁ?お前サウナ嫌いなんじゃなかったのかよ?」
「いや別に?いつもはめんどくさくて入ってなかっただけ」
「…お前…マジムカつく」
「は?そんなに怒んなよ―」
ニカニカと笑いながら俺の後についてくる山本。
逃亡失敗…。
しかたなく、山本を連れてサウナに入る。案の定中には誰もいない。

「お、誰もいないのなー。ラッキーじゃん」
うん。まさに。
他人と入るのは別に気にしない。
だがそれがムサイおやじだったら!臭うのは勘弁だな。
そんなことを考えつつ、出入り口から一番遠い場所に座り足を投げ出す。いつもなら当たり前のように俺の横に座る山本は、なぜか俺の向かいに座る。まぁ、そう言うこともあるだろう。特に気にしなかった。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ