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□織姫骸と彦星雲雀★
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 その昔、天帝リボーンという神様が星空を支配しておりました。
 リボーンは人に厳しく自分に甘い神様で、それがどんなに些末な命令であっても自分に逆らう者には「そうか、死にてぇのか」とお気に入りのマグナムを笑顔で突き付けるという、とても非道な神様でした。
 そんなリボーンにはお気入りの部下がおりました。名前は六道骸。彼は若干生意気ですが、とても優秀な暗殺者でリボーンが手をかけて可愛がると同時に、その腕を買って毎日のように仕事を与えていました。
 
 そんなある日、骸が仕事中にうっかり怪我をして帰ってきたのです。それも奇麗な白磁のような頬に真っ赤な傷が出来ているではありませんか。大切にしていた骸に傷をつけられたので、さあ大変。リボーンは激怒して部下を呼びつけ、すぐに命令を出しました。
「もう俺の骸は仕事に出さない!誰か代わりになるやつを探して来い!」
 
 それから数日経ったある日、部下が下界から帰ってきました。
「天帝、ただ今戻りました」
「見つけてきたんだな?へなちょこ野郎だったらお前をぶっとばすからな」
「は、はい。こやつでございます」
 そう言うと、部下の後ろから真黒なジャケットに身を包んだ一人の男が現れました。短髪も目も漆黒の彼は天帝を前にしても挨拶どころか、頭を下げることもしません。
「こら、天帝の御前である。挨拶くらいしなさい」
「…」
 男はキッと部下を睨みつけると、そのままリボーンを見つめ、こう言いました。
「ここに来れば今の3倍の給料がもらえるって聞いたんだけど、」
「俺を見て開口一番金の話か。いい度胸だ。気に入った。名をなんという?」
 リボーンは雲雀の問いに答えることなく勝手に話を進めると、黒づくめの男の名を尋ねました。
「…雲雀、恭弥」
「雲雀か。わかった。業務内容は掃除だ。詳しくは骸に聞け」
 こうして流れものだった雲雀は天界に召されて、リボーンの直属のスナイパーとして活躍するようになりました。
 
 しかし、これが後に更なる問題を引き起こすとは、まだ誰にも予想できませんでした。
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