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‡君の中にある大きな真実〜ヒロ円〜‡

一番は、やっぱりサッカーなんだろうな。
そうなるとオレの恋敵はサッカーで、だけどオレはサッカーが好きな彼に恋をしている。
そんな変な恋患いに苦笑すれば、隣でおにぎりを頬張る彼がきょとりと首を傾げてみせた。

「どうしたんだヒロト?」

「ううん。何でもないよ円堂君。君は本当にサッカーが好きで、あ、おにぎりも好きだよね」

彼の唇の端についたごはん粒を親指で掬い取り、ペロリと舐める。
すると彼は急に顔を真っ赤にして立ち上がり、グラウンドに向かって脱兎のごとく駆け出した。

「えっ、円堂君!?」

しまった。
思わず取った行動が彼を怒らせてしまったのかもしれない。
オレはすぐさま謝ろうと彼の背を追いかけるために立ち上がった、その時だ。
彼はぐるりと振り返ったかと思えば、やはり真っ赤な顔をしたままオレを見つめて目一杯空気を吸い込んだ。


「俺が一番好きなのはヒロトなんだからなーーっっ!!」


「え…」


今度は、オレが首を傾げる番だった。

‡fin‡
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