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‡序章‡

「今年の文化祭の出し物なんだけど、何かあるかー?」

部活前、円堂のその問いかけに「ああ、そんな時期か」と皆が思う。
文化祭に体育祭、気候の良いこの季節はどこもかしこもお祭り騒ぎだ。
さて、そんな中で首を傾げる人物が一人。

鬼道だ。

「どうした、鬼道」

それに気づいた豪炎寺が問う。
すると鬼道は答えにくそうに眉間に皺を寄せ、ぽつりと呟いた。

「それは普通、どのような事をするものなんだ?」

ああ、帝国には文化祭がないのか。なんとなく、皆そう思った。
しかし問われた円堂も円堂で、どこかバツが悪そうだ。

「どのようなって…あー…うーん」

「歯切れが悪いな。去年もやったんだろ?」

更に鬼道が問いかける。
すると円堂の代わりに口を開いたのは、染岡だった。

「去年は俺ら三人しかいなかったから、やってねーんだよ」

「円堂も、確かその頃風邪ひいて休みだったよな?」

染岡に次いで半田も答える。
思えば、壁山達一年生が入る前は、円堂達の三人だけだったのだ。

鬼道もそれを察して一度口を噤むと、円堂の苦笑いを見つめながら思案した。

「(雷門イレブン初の文化祭か)

ならば全力を尽くさねばなるまい。円堂のためにも。

「よし、円堂!必ず成功させるぞ!!」

「うわっ、ビックリしたっ!!よくわかんねーけど、やるからには頑張ろうな!!なっ、みんなっ!!」

「おーーっっ!!」

盛り上がる雷門イレブン。
そんな中、木野秋、音無春奈、久遠冬花の三名が密やかに笑っていることを、まだ誰も知るよしはない。


‡To be continued‡
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