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宍+松→円
「あーっ、コラ!マックス、宍戸!トマト残すな!」
「えー、だってソレ美味しくないし」
「俺もあんまり好きじゃいんですよねぇ〜」
「食べなきゃダメだっ!!」
珍しく、学食に円堂が来たので三人で食べていたのだが…ちょこんと白い皿の上に残されたトマトを見て円堂は頬をふくらませた。
だがマックスも宍戸も、いくらキャプテンに言われたとはいえ嫌いな物は嫌いだ。食べたくない。
そもそもトマトのあの感触が嫌いなのだ。
あと、野菜なのか果物なのか悩ませる辺りも好きじゃない。
マックスはどうにかこの場を逃れようと考え、ふと思いついた言葉をそのまま口にした。
「キャプテンが食べさせてくれるなら、食べてもいいよ」
マックスがフンと鼻を鳴らす。
その言葉に円堂はきょとんとし、宍戸は面食らった。
だが、いくら天然鈍感なキャプテンといえど、こんな公衆の面前でそんなことはしないだろう。
流石マックスだ、考え方が意地悪だが面白い。
しかし…
「はい、あーん」
間の抜けた、円堂の声が宍戸の耳へ届く。
これには流石のマックスも目を見開き、我らがキャプテンの行動を凝視していた。
円堂は、トマトのヘタを持ってマックスの口元へトマトを持っていっていたのだ。
これには周りの生徒達もざわついていたが、その大半がおそらく、嫉妬と羨望の眼差しであっただろう。
しかしそこはマックスだ。そんな生徒達の視線を気にすることなく、パクリと、円堂の指ごとトマトを頬張った。
「おい、くすぐったいってマックス!」
ハハッと笑う円堂の指をペロリと舐めると、マックスもニヤリと笑った。
「食べさせてもらうってなかなか悪くないね。ねえ宍戸、君のトマトももらっていい?」
「え?あ、いい、けど…」
黒い黒い笑顔のマックスに押され、宍戸は自分が残したトマトの皿を渡す。
するとマックスはその皿を円堂へと渡し、聞いたこともないような猫なで声を出して言うのだった。
「今度は口移しで食べさせてよ」