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「俺、円堂守!よろしくな!!」

「南雲、守に近づいたら容赦しないよ」

「おいヒロトッ!何言ってんだよっ!?」

ヒロトの幼馴染だと紹介された男は、笑顔が印象的な奴だった。


――――if!if!if!


「豪炎寺と南雲で2トップ!これ良くないか!!」

「はぁ?FWは俺一人で充分だろ」

帰り道、嬉々として円堂が言い出したフォーメーションの提案を拒否する。
そもそも、豪炎寺の存在がいけ好かない。
円堂にやたらめったら近づくのもいただけない。
それを言い出せばヒロトやら風介やら身近に敵は沢山いるのだが、同じ炎を纏う豪炎寺はサッカーにおいてかなり敵意を持っていた。

「そうかなぁ?じゃぁヒロトか風介か…染岡とか吹雪とか?」

そんなに2トップがいいのか、もともと雷門のベーシックなフォーメーションを好む円堂はFWの選手の名前を次々に出してくる。
南雲はガシガシと頭をかくと、円堂の腕を取ってぐいっと自分の方へと引き寄せた。

「俺一人じゃそんなに頼りないか?」

「へ?そんなことないぞ!俺、南雲のアトミックフレア好きだし、プレイスタイルだって嫌いじゃない!」

「だったら一人で…!」

「でも、やっぱりパスの繋ぎあいって楽しいからさ!まずはお前から、な!」

呼吸が触れ合うほどの、近い距離。
円堂はそんなことも気にせずニカッと笑って南雲を見つめた。

その瞳は、初めて出逢った日と全く同じ。

「あー…ったくお前は…わぁったよ、キャプテンの言うとおりにしてやるよ」

「へへっ、じゃぁMFは鬼道と一之瀬にして…」

体を放し、再び歩き出しながらサッカーの話しを始めた円堂に、南雲苦笑しながら夕焼け空を見上げた。

「(サッカー以外は、俺一人で充分にしてやりゃいいだけの話だからな)」

円堂の手を握り、南雲はさてこのままどこかに連れ去ってやろうかと考えた。


‡FIN‡
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