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「あれ?風介はまだ寝てんの?」
「いつものことじゃんな。おい円堂!それより河川敷行ってサッカーしよーぜ!」
「そうだよ守。風介は昼まで起きないし、先に三人で河川敷に行こう」
南雲とヒロトに腕を引っ張られたが、円堂は少し考え込んでやんわりと首を振った。
――――if!if!if!
「(よく寝てる)」
ヒロトが言うには、風介は朝に弱い。
とはいえもう10時をまわっているのだが、風介は息をしてるのかどうかすらわからないくらい静かに眠っている。
「(うーん…確かにこれだけ寝てたら起こすのは悪い気がしてきたぞ)」
風介は起こしたら機嫌も悪いとも聞いた。
それでも円堂が起こしにきたのは、やはり四人でサッカーをしたいからだ。
そして、起きたら家に誰もいないなんて、寂しい気がする。
「風介、なぁ、風介」
呼びかける、が、反応はなし。
次に肩を軽く叩いて名前を呼んでみたが、それでも反応はない。
キシリとスプリングの音をたて、風介に馬乗りになってよくよく顔を覗きこむ。
整った顔だというのは知っていたが、眠っている顔の綺麗さに円堂はドキリとした。
本人は熱いヤツは嫌いだと常々言ってはいるが、サッカーをしだしたら今は伏せられた瞳が熱く燃えることを自分は知っている。
「お前のサッカーしてる時の目、すごく好きだ」
さらりと、色素の薄い髪を撫でる。
「だから早く起きて、一緒にサッカーしようぜ」
規則正しい風介の呼吸に円堂もまた眠気に襲われ、くたりとそのまま身を委ねて意識を手放した。
「(…バカなヤツだ、円堂守)」
ゆったりと、円堂を起こさないように起き上がりながら風介は顔を赤らめた。
思い出すのは先ほどの言葉。
「(好きだなどと…よく平気で言えたものだな)」
嗚呼、けれど
悪い気がしないのは一体何故なのだろうか。
‡FIN‡