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‡初詣〜豪円〜‡


「おっ、いたいた!」

初詣で賑わう人混みをどうにかこうにか掻き分けようとして、しかしその低い身長のせいで揉みくちゃにされているのは円堂守。
そんな彼の視線の先には人影に紛れて見える豪炎寺の姿があるのだが如何せん、距離は近くなるどころか遠のく一方だ。

「(別のトコを待ち合わせ場所にすれば良かった!)」

二人で参拝しようと、雷門神社の鳥居前で待ち合わせようと提案したのがそもそもの間違い。去年だって、大人という壁に阻まれて辛い思いをしたというのに。

「うぅっ…豪炎寺ぃ…」

ぐすんと、思わず泣いてしまう。
一体いつになったら目と鼻の先にいるハズの彼に会えるのか。

すっかり参拝客から弾き出された円堂は、コートの裾を掴んでぽつんと立ち尽くした。そんな時だった。


「待たせすぎだ、円堂」


コツンと、後ろ頭を小突かれて振り返る。
するとそこにいたのは、紛れもなく豪炎寺修也その人であった。

「ごっ…豪炎寺っ!!」

ぶわっと、円堂の目に涙が溢れた。
そんな困った恋人を柔らかく豪炎寺は抱きしめると、頬を寄せて囁いた。

「明けましておめでとう、守」

「んっ…明けましておめでとう!今年もよろしくな、修也!!」


今度は人混みに負けないように、ぎゅっと強く手を握り合う。
それはまるで、新たな絆を結ぶように。


‡豪「今年は、待たせないようにすると決めたんだ」‡
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