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ヒロト×円堂



「ねぇ、円堂君」

昼休み。
部員に囲まれお弁当箱を広げる円堂に、ヒロトはにこりと話しかけた。
当然円堂は手を止めてそんなヒロトを見つめ、部員も何だとヒロトを睨みつける。
だがそんな部員達の視線をものともせず、ヒロトは気にせず円堂だけを見つめて口を開いた。

「好きだよ、円堂君」

「おぉ!俺も好きだぜ!!さあ弁当食って、放課後の部活に備えるぞーっ!!」

サラリと告白をして、間髪入れずに円堂も答える。
部員達は一瞬ザワついたが、当の円堂とヒロトは何事もなかったかのように昼食を食べ始めたためにツッコむこともできず。

少し蟠りもあるが、しかし…
円堂は鈍感だし、どんなに好きだと言っても今のようにかわして気にも留めないだろう。
ならばいっそツッコミを入れずに放っておく方が得策だ。
部員達も円堂同様に各々の弁当を広げると、箸をつけていった。


*********


「円堂、大丈夫か?」

「へ?」

「顔が赤いぞ」

「えー…?」

昼食を食べ終わりクラスに戻る廊下にて、幼なじみにそんなことを指摘され顔を両手で包む。
そう言えば昼休みからずっと体が熱い気もするし、なんだろう…

「心臓がドキドキする」

「保健室行くか?」

「うん」

それが恋だと気付くには、円堂はまだまだ幼いのであった。



‡fin‡
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