記念小説
□來と七人の小人(?)
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「…あの〜冬夜さん?どこに向かってるんですか?」
いつもより軽い動きやすい服に着替えて、猟師の冬夜さんと一緒に森の中を進んでる。
よく散歩に誘ってくれるけど、こんな深い森は初めてだ…
「冬夜さん?」
「見えた」
「え?」
冬夜さんの視線の先に見える立派な家。
あれがどうしたんだ?
「あそこでしばらく過ごせ。ここなら樹弘も見つけられないだろう」
「いや、あの…」
「俺の言うことが聞けないのか?」
「いや、そうじゃなくて…」
「なんだ?」
ヤバい怖い!怒る寸前だ。
「いや、はい、分かりました」
「ああ。騒ぎが収まったら迎えに来る。そしたらそのままあんな所出て行ってやる」
くくっと笑う冬夜さんの目が怖い…絶対何か企んでる!
「じゃ、いい子で待ってろ」
そう言うと俺の額にキスをして、今来た方に戻って行った。
額を押さえて冬夜さんの消えて行った方を眺めてたけど、こんなことしてても仕方ないかと思い、さっさと家の前まで来た。
大きな家を見上げて、築何ヶ月だろうと思った。
「とりあえず、おじゃっ…って、鍵掛かってんじゃん!ま、当たり前だよな。さて、どうしたものか」
誰か居るような気配も無いし、風の音しかしないようなところで一体どうしろと?
はぁ、と息をはいてドアを見る。
「腹減った…」
結構長い時間山道を歩いたんだから当たり前だけど。
「マジ腹減った……よし!」
俺は前髪をについていたピンを2つ取り、目の前の小さな鍵穴に差し込んだ。
中で小さくカチャカチャと聞こえて、次の瞬間カチッと少し大きな音が鳴った。
「お邪魔しま〜す」
今度こそ開いたドアを開けて中に入った。
中も外と同じでとても綺麗だった。
そして目についたのは、テーブルの上にあるカップめん。
「ラッキー」
早速開けて作り出す。
勝手キッチンを漁り、お湯を沸かして注ぎ込む。
後は3分待つだけ。
テーブルにカップめんと箸を置き、椅子に座る。
壁に掛かったいやにシンプルな時計と睨めっこ。
進めーさっさと進めー
ブツブツと呟きなから時計の針が進むのをひたすら待った。
カチッと3分経った瞬間にべりっと蓋はがした。
「いっただっきまーす!」
ずずーと麺を食べる。
「うま〜家じゃ食えないもんなぁ。真さん厳しすぎんだよ」
ぼやきながらも2口めを入れた瞬間、ドアが玄関が勢いよく開いた。
「ただいまー!あれ?君誰?」
大きな声と共に入って来たピンクの髪の女の子。
「また鍵閉め忘れたのか!」
「だから言っただろ」
その後ろから次々と入ってくる人々。
いったい何人居るんだよ…