キリリク・プレゼント

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「って感じで、席が前後だっただけ」


「マジ!!?」


「うん、だよな?」


徹に同意を求めたら嫌な顔して頷いた。

なんだその反応は!


「ああ…大変な中学時代だった…」


「何なに?そんな苦労したのか?」


好奇心いっぱいに徹に詰め寄る太一は良い暇つぶしを見つけたみたいだ。

なんて厄介な…

余計な事話すなよ〜


「今より酷かった」


酷かったって表現はどうなんだ!?


「クラスが3年間一緒で宿題は写す、授業中は寝る。挙げ句の果てには授業サボって昼寝してるし…」


確かにダラダラやってたけど、そんな迷惑かけてない…つもりだったんだけどなぁ。


「今と変わんねーじゃん」


「今はクラス違うから良いんよ」


「ああ、なるほど」


「何2人で納得してんだよ!」


コイツら揃って失礼!


「でもさ、中学受験あるようなとこで良くそんな事出来たな」


「え?義務教育だし、単位じゃないから今より簡単に出来るじゃん」


太一に何当たり前な事言ってんのって感じで言ったら徹が大きくため息をついた。


「それで反感買ってただろ」


「あ〜…うん。スゲー睨んでたな」


「何それ?」


中学時代を思い出して乾いた笑いが漏れた。

懐かしいな…ホント懐かしい…


「みんな勉強必死にやってたからさ、サボってた俺が気に入らなかったんだろうなぁ」


クラスメートに睨まれた記憶あるな…


「それで赤点でも取ってれば問題無かっただろうな」


「いやいやいや、赤点は無理!赤点取ったら1週間補習あったじゃん」


「そんなので赤点取らないのかよ…俺にその点分けろ!」


何か話ずれてるぞ。

日頃から赤点で苦労してる奴が言うだけあって力入ってるな、おい。


「サボらなきゃ何とかなるさ。サボっても何とかなる奴もいるけどな」


「…なぁ、さっきから徹の言葉がグッサグッサ刺さってんたけど」


「刺してるからな」


軽口を叩きながら言い合いをする俺達を太一が楽しそうに見てたのなんて気づかなかった。


「やっぱ仲良いよな。案外、類友なのかも」
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