U
□否定的な私
1ページ/1ページ
がたん、
余り心地のいいとは言えないだろう音が部屋に響いた。
さしずめ、私がいきなり立ったりしたから椅子が倒れたのだろう。
「や、やめてよ、」
椅子が倒れる音の後に響いた、ヒステリックな声。
拒絶する、私の声だ。
そんな私を心配したのか、彼は私に少しだけ近付いた。
「い、いやだ…!いやだっ…!いやだ!!」
彼が一歩踏み出せば、私は一歩下がる。
それは、まるで、私という存在が、彼という存在を全否定しているかのよう。
「───、」
「い…や、」
彼が私の名前を心配そうに呼ぶ。
そんな彼の声さえも拒絶したくなって、私は両手で両耳を塞いでその場にしゃがみ込む。
───呼ばないで…!呼ばないで!!
何度も何度も叫び続けたせいか、喉がはち切れそうに痛い。
「来ないでよ…!近付かないで…!!せっかく、心を無くせたと思ったのにっ…!!それなのに!!」
───貴方のせいで…!
「知らない…!知らないっ!!こんな感情知らないっ」
───こんな、熱くて痛い感情、知らない!
「優しくしないで!どうせ私に触れられないくせに!!」
───触れられないくせに、どうしていつも私の心に触れてくる?
「これ以上私を乱さないでよ……!目茶苦茶にしないで…!!」
───そんな綺麗な青で、私をみないで、
否定的な私
(もう、つかれたよ)
───────────
ごめんなさい…
BBS