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□誘いの月
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サラサラと髪が夜風に吹かれて揺れる。
髪が揺れるたび、頬にあたって、くすぐったい感じがする。
どっちの髪だろう、
真っ暗な夜。
電気も点けていない部屋だから、彼の髪はあまり見えない。
でも、その分わたしの髪は目立つ。
だって、わたしの髪は金色だから。
月の光に反射されて、わたしの髪だけがよく見える。
ちゃんといるよね?
そう思い、わたしは背中に感じる暖かさを再度確かめるかのように目を閉じ、わたしの体に巻き付けられてある、彼の腕に手を這わす。
ああ、いる。
ちゃんといてくれている。
分かりきっていることなのに、安心してしまうわたし。
いつからこんなにも彼に甘えるようになったんたろう。
――――わからない、
でも、背中に暖かさを感じる度に愛しく想う。
―――あなたは、全てを包み込む夜みたいなひと。
でも、決して冷たい夜じゃない。
―――じゃあ、お前は月だな。
先程、彼が言ってくれた言葉が浮かんできた。
夜の彼と、
月のわたし、
夜があるから、
月があるんだよね、
そう考えると、また暖かい気持ちになった。
誘いの月
(真っ黒で、夜みたいなのに、あたたかいあなたが、好き)
(明るくて、月みたいに、俺を照らしてくれてるお前が、好き)
(今日も、ふたり、月に誘われて)
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意味不明…?^^;
BBS