Ballad of Love

□第一話 赤い星が輝く空
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桜花高校の高等部に通いだして七日、丁度一週間である。
中等部の頃から通い慣れている道。桜吹雪を受けながら雅は通学路を歩く。
しばらく歩いていると、後ろからいつものように叫び声が…。
振り向くと、二人のうち、一人が走ってくる。

男子生徒「みぃ〜やびぃぃ〜〜!!」
男は両手を広げ、ハグを求めている。と言うか、強制的にやらされてしまう…。

雅「俺にそういう趣味はねぇ!!」
と見事に回避した。

男子生徒「いいじゃねぇか!実は嬉しいんだろ!?」
再度、ハグを求め突っ込んでくる。

雅「嬉しく…ねぇ!!」
雅は左足に蹴りをいれる。
相手は膝カックン状態になって、地面に滑り込んだ。
そんなやり取りをしていると、もう一人の方が追い着いてきた。

声「はぁ…、毎日毎日ほんっとに飽きないよね…」
とため息と共に罵る。

雅「よお。椿」

女生徒「うん。おはよう」
彼女の名前は春日 椿(かすが つばき)。
雅とこの地面にこけている矢野 浩樹(やの こうき)とは幼馴染みである。
幼稚園から高校に至るまで常に同じクラスだったため、付いたあだ名は「三馬鹿」
彼女は特に何もしていないのだが、この二人といつも一緒にいるため、巻き込まれてしまった。
彼女にとってはいい迷惑である。
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