六角

□はじめての…[☆]
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「剣太郎〜!!」
今日、僕は偶然にも一人暮らしをしている従姉の家に来ている
「久しぶりだねぇ!!会いたかったよぉ!!」
「苦しいって実咲ちゃん…」
従姉の実咲ちゃんは昔からスキンシップが過剰で、再会の度に僕に抱きついてくる
抱きついてきたあとは僕よりも少しだけ背が低いにも関わらず、頭をよしよしと宥めるように撫でてくる
部屋に案内されて、座布団に座ると、冷たい烏龍茶を出してくれた
ここに来るまで炎天下の中、自転車で来たから、とても嬉しかった
「で、相談ごとって何?」
「うん…実はね…」
実咲ちゃんに会いに来たのは他でもない、つき合ってる相手についてのことだ
「実は僕、サエさんと最近、付き合い始めたんだ…」
「佐伯君と!?マジで!?」
実咲ちゃんはそれを聞いたとたん、顔をキラキラさせた
「ねぇ!!剣太郎!!Hの時はやっぱり剣太郎が下なんだよね!!」
え…?H…?
「剣太郎、何顔なんて真っ赤にさせてんのよ!!」
「だっ、だって!!まだそんなことしてないし!!男同士だからやり方なんて知らないし!!」
自分が恥ずかしくて僕は慌てて何を言ってるか分からなかった
とりあえず、何か喋ってないと倒れそうで…
「ん?…何これ…」
僕は部屋の隅に置いてあったペラペラな本を見つけた
「それ?同人誌だよ」
「どうじんし…?」
どんなのが描いてあるのか気になった僕はその本を手に取り、パラパラとめくった
「剣太郎!!見ちゃだめ!!」
実咲ちゃんが慌てて僕から本を奪い取ろうとするけど、僕はさらっと避けた
そして、目に映ったのは…
「何これ……」
男の人が男の人のアレを触ってるシーンだった
「あちゃーっ…よりによって20禁の漫画読んじゃって…」
実咲ちゃんは僕からそれを取り返すと、机の上にそれを置いた
「まぁ、男同士のってあんな感じ?」
「そうなんだ…」
カルチャーショックを受けた僕はフラフラと玄関まで歩いた
「もう帰るの?」
「うん…今日はありがとね…」
そのまま僕はダッシュで駐輪場まで行って全速力で家に帰った

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