聖ルド

□四年に一度の特別な日
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「ただいまぁ…」
裕太がため息をつきながら玄関に入ると二階でドタドタとモノが転がり落ちるような音がする。
治まったかと思うと、兄の周助が階段の最上階で壁により掛かり、涼しい顔で格好付けていた。
「裕太、お帰り」
「ただいま」
裕太は、彼の顔を見ないようにリビングへ行く。
「母さん達なら居ないよ…」
その声にはっとして、振り返ると、にこにこした周助の顔があった。
疑うように裕太は周助に問いかけた。
「母さん達は何処へ行ったんだ?」
「急用で父さんの所にだよ?…何回も僕に謝りながら、昨日の朝、空港へ行ったっけなぁ…」
珍しいことがあるものだと裕太は思った。
何せ今日は‥…―

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