□■NOVELS*死神と僕の42日間■□

□ 11日目
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 背中から後孔に片手を回し、その入り口を押し開くように指を添える。

 内部から、溶け出したアイスクリームがとろりと零れた。


『―――っ、ふ・・・・』


 逆流する液体の感覚に背中に戦慄が走る。

 月は身震いするLの手を取り自らの下肢に導いた。


「もう挿れたい―――」


 それは疑問文では無く、ぽつりと呟かれた無防備な本音だ。

 こんな時、月はひどく幼くなる。

 
 ただ一言、はい、とこたえたLは、覚束ない指先を遠慮がちに月のジッパーに添えた。

 ゆっくりと響く金属音。

 長い指が勃ち上がりかけた性器に触れる。

 根元から先端までを繰り返し擦り上げ、Lは俯いたまま上目で月を見上げた。

 これで良いですか、と訊ねるような眼差しが、月の劣情を急速に煽る。


 片手でLの背中を支え、もう片方の手を後孔に潜り込ませる。

 脇腹を支えながら屹立した性器の上に導くと、Lはゆっくりと腰を落とした。

 先走りに濡れた月の性器が、深く内部を侵攻する。


『っ・・・…あ、ぁ』 


 Lは腕を伸ばし、背もたれに預けた月の肩を掴むと大きく仰け反った。

 不安定なソファの上で向かい合い、根元まで咥え込まされたLは、めちゃくちゃに月の頭を掻き抱く。

 生々しい水音が互いの耳を打った。


 アイスクリームの冷たさなど、もうとっくに感じられはしない。


『あっ・・・・・や・・・・・・やが、みっ・・・・―――』


 言葉にならない声を紡ぎ出す唇に、噛み付くように口付ける。

 閉じる事を忘れた口唇の中へ舌を挿し入れ、Lの口中を深く侵凌していく。

 夢中で応える柔い舌の熱さに、月は知らず喉を鳴らした。

 弱い部分を探るように繰り返し揺さぶってやると、
 堪え切れなくなったような細い声がLの喉の奥から断続的に零れる。


『はっ、ぁ・・・・・あ、―――』


 差し迫った状況を報せる、引き攣れて掠れる声が月の耳底をくすぐり、Lの全身がびくりと硬直した。

 きつく締まる内部が収縮を繰り返し、飛散した白濁が互いの腹を汚す。

 崩れるように力が抜けたLの中で、月もまた陶然と熱を放った。












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