れんさい

□ベル君のプロポーズ大作戦
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【深夜の来訪者編】



「で、賭けが白紙だからってそんなにべったりすることねーだろ」
任務を終えてボンゴレに帰ってきてから、ベル君はハヤト君にべったり。

もう寝るんですよ、ベル君。

でもベル君は離れません。
ふう、とため息をつくとベル君の頭をなでなで。
ハヤト君は優しい男の子。
ベル君はハヤト君が大好きです。

「しょーがねーな、一緒に寝」「隼人!オレなんだか今日は寝つけなくてさ、一緒に寝てくれないかな」

ばたん

ハヤト君の部屋にボンゴレのボスが入ってきました。
「10代目、大丈夫ですか?どうぞこちらです」
ハヤト君はボスが大好き。
ベル君のことなんて置き去りで自分のベッドを明け渡しています。
「ありがとう、隼人も寝よう?」
「え、でも」
大好きなボスに誘われて赤くなっちゃうハヤト君はとても可愛いけれど、ベル君はおもしろくありません。

それにボスはちらりとベル君を見て、得意気に笑いました。
ボスはここにベル君がいることを知っていたに違いありません。
そしてハヤト君がベル君に、一緒に寝てあげるって言うのを妨害するためにきたに決まっています。
ハヤト君に言ったら、10代目がそんなことするわけねーだろって笑うと思うので、ベル君は言いませんでした。
でも絶対にそうです。
ボスは超直感をもっています。
それでハヤト君とベル君のことを直感して、邪魔しにきたんです。

ベル君がふてくされていると、ハヤト君が笑います。
「おまえもこいよ、ソファーなら空いてる」
寝れるまでは傍にいてやるから。
ベル君は胸のところがじぃんとしました。
ハヤト君は優しい男の子。
「うん」
ベル君が頷いたときです。

ばたん

「ハヤト、オレを寝かせろ!」
ベル君のボスの登場です。
「こんな時間に非常識じゃないの?ザンザス」
ハヤト君のボスが立ち上がります。
とっても笑顔です。
自分のことは棚に上げて、ベル君のボスを非難しました。
ちゃっかりハヤト君を自分の後ろに庇っています。

「なぜてめーがここにいる、オレはハヤトに用があるんだ」
ベル君のボスはなかなかもっともなことを言いました。
でもやっぱり自分は棚上げです。
そうして2人のボスは言い争いを始めてしまいました。

こうなるともうダメです。
それはハヤト君にもベル君にもわかっていました。
2人のボスはとっても強くて、ハヤト君やベル君では本気のボスをとめられないのです。
でもいくら大好きなボスのすることとはいえ、部屋を燃やされてしまうのはハヤト君だって困ります。
とても綺麗でもともと白い肌が青くなっていくのを見ながらベル君は考えました。
綺麗なハヤト君は真っ青な顔でおろおろしているより、薄桃色のほっぺたでにっこり笑っているのが似合います。
ベル君はハヤト君の笑顔が大好きなんですから。

「ハヤト、行こ」
「へ?」
ベル君はハヤト君の手をとって歩きだします。
もうボスの2人はとめられません。
だんだん口論だけでなくなってきました。
死ぬ気の炎がハヤト君の部屋で炸裂するのも時間の問題です。

「ベル?どうしたんだよ」
「オレの部屋行こ」
そうすれば2人で寝れるし。
うししと笑いながらベル君。
ハヤト君は心配そうに自分の部屋を何度か振り返ると、ふっと綺麗に笑いました。
「そうだな、そうするか」

ベル君の大好きな笑顔でした。


2人が仲良く眠ったころ、ボンゴレ城の一角で小さな爆発事故が起こりました

'07/8/7


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