【暗殺任務編】 今日のベル君はご機嫌です。 どうしてって? だってベル君は大好きな子と一緒にお仕事してるんです。 「なぁハヤト、あいつら皆殺しにしちゃおうぜ」 ししし、笑いながらベル君は言います。 「あのな、これはある人物を暗殺するミッションなんだよ」 おまえ本当にボンゴレ最強の暗殺部隊なのか?呆れた顔で振り向いたのは銀髪の美人さん。 ベル君の大好きなハヤト君です。 ベル君がご機嫌なのは、ハヤト君とコンビで暗殺のお仕事をしているからなんだね。 「じゃあさ、ハヤト」 ずいっとハヤト君の背中にひっついてベル君は言います。 ハヤト君からはタバコと火薬の匂いがするのに、ベル君にはとても甘い香りに感じました。 「なんだよ」 ハヤト君は離れろと言いながらもベル君を邪険にしません。 ベル君はそれが嬉しくてぎゅうっとハヤト君を抱きしめました。 「どっちがターゲットを殺れるか賭けよーぜ」 「賭けって、殺しと遊びを一緒にすんなって言ってるだろ」 子供の遊びのように軽い言葉で殺しを口にするベル君を、ハヤト君はたしなめます。 ハヤト君にとって殺しは楽しいものじゃないみたい。 それはベル君も知っていました。 でもベル君は諦めません。 「ハヤトが殺ったら王子はハヤトに1週間くっつかない」 それを聞いてハヤト君はちょこっと嬉しそう。 それもそのはず、ベル君は暇さえあればハヤト君にべったり。ハヤト君は落ち着いて仕事もできないのですから。 自分がくっつかないことでそんなに嬉しそうにされるなんてベル君は複雑です。 だからといって、そんなことでめげたりしません。 「それで、オレが殺ったら明日結婚ね」 「死ぬ気で殺る!!」 ハヤト君はがぜん殺る気です。 もうハヤト君にとって遊びとか殺しとかいう問題ではありません。 殺らなければヤられてしまいます。 それに冗談でもベル君と結婚なんて話になたら、暴れ狂う人がいるのです。 ハヤト君は一瞬で6人もの人物が浮かびました。もう少し考えれば倍に増えてしまいそうです。 それは避けなければいけません。 だって、ボンゴレ本部壊滅の危機です。 というわけで、2人は暗殺ターゲットのもとへ走りました。 暗殺目的ですから慎重に行動することも忘れずに。 「なんだぁてめーら、遅かったじゃねーか」 2人がターゲットの部屋に着いたとき、中にはもう先客がいました。 ベル君と同じヴァリアーのスクアーロ君です。 当然、彼はミッションを成功させていました。 ベル君とハヤト君がイチャイチャしているうちに、スクアーロ君の隊がターゲットを暗殺していたのです。 ハヤト君は結婚の賭けが白紙になって一安心。 「ありがとう!よくやってくれたぜ、スクアーロ」 大絶賛しながらスクアーロ君に飛びつきます。 ベル君はおもしろくありません。 ハヤト君は男の子なのに細くて、なんだか軽いのです。だからスクアーロ君はハヤト君を受けとめて、抱き上げてあげました。 「う゛お゛ぉい。どうしたハヤト、そんなに任務成功が嬉しいのかぁ」 スクアーロ君はハヤト君に抱きつかれてまんざらでもありません。 「ハヤト、王子にもぎゅってしてよ」 ハヤト君のスーツをひっぱってベル君が言います。 スクアーロ君にくっついていたハヤト君は、拗ねたようなベル君をみて呆れたとため息をついたあと、ミッション終了おつかれさまと言ってベル君をぎゅっとしてくれました。 今日のベル君はご機嫌です。 だって大好きな子と一緒にお仕事してるんですから。 「…で、結局べったりかよ」 「ししし、だって王子負けてないし」 「あぁ、はいはい」 今日も2人は仲良し '07/8/5 <<戻(だいさくせん) |