そのほか

□暴走者パーティー
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ボンゴレ,ヴァリア-等による隼人総受けギャグ

'07/11/29



「昔あるところにゴクデレラという可愛らしい少女がおりました」

「ちょっと待て、骸!なんでオレが少女なんだよ!?」
「そうだよ!獄寺君を少女だなんて言葉でくくらないで!」
のんびりとしたナレーションにはじめからツッコミをいれる隼人と綱吉。
隼人は自分の怒りと憤りを尊敬する人にわかってもらえたと感動し、夢見る乙女のような瞳で綱吉をみつめる。

「獄寺君はただの少女なんかじゃない!この世の人とは思えないほどの美少女なんだからな!!」
高らかに、いっそ清々しいくらい迷いなく宣言する綱吉と、ああ確かになんて笑顔で頷く骸を視界にいれて、隼人は泣きたい思いでいっぱいになった。

「それにしてもゴクデレラはないんじゃないの?」
性別のことなんて気にもとめていない様子で、恭弥が不服そうに腕を組んで隼人を見つめる。
もっと彼に似合う綺麗な名前があるはずだとでも言いたげだ。

「確かにおもしろい名前なのな」
「極限へんてこだ!」
恭弥の言葉に同意はするものの、にこにこと楽しそうに笑っている武と了平はとくに不満があるようには見えない。
「まあ、獄寺ならなんでも可愛いけどな!」
スポーツマンらしくふたりの考え方は単純明快だ。

「誰がこんなヘボイ名前考えたんらびょん!?」
「クフフフフフフフ…犬、むこう1ヶ月おやつ抜きです」
「きゃん!!む、骸さん…?」
「やっぱり骸様が考えたんだ…」
主役の名前に関する一連の流れを傍観していた千種とクロームは顔をみあわせ、なぜ叱られたのかもわかっていない憐れな少年へと視線を向けたのだった。

「ってことはこの配役もてめーが考えたのか!?」
「脚本は僕だよ、名前も僕が提案して彼と話しあったのさ」
自分の役にもとから不満のあった隼人が骸に掴みかかろうとしたところで、小さな影が動く。

「マーモンが?」
「そうなのよ!この子って多才でしょ?そして私は綺麗なお姫さ「ルッスーリアはいじわるな継母」
マーモンを褒め称えながら現れたにぎやかなオカマは、その一言で哀愁を漂わせながらしゃがみこんだ。

「ししし、ルッスーリアってばバカじゃん?お姫様は隼人が一番似合うに決まってるし、オレが王子で決ま「ベルフェゴールはいじわるな姉そのいち」
自分がヒーローであることを疑いもしなかった王族もその一言で撃沈。
脚本家の決定に文句をつけないあたり、立派な役者魂だ。

広い舞台の上で物語は進行していく。

「だいたい、リボーンは無茶苦茶なんだよ!地域との交流は大事だからファミリーで演劇して友好を深めるぞって、もう練習場所まで用意して…ありえねー!」
綱吉の説明口調な声は広いホールに響きわたり、極限だな沢田のマイクは必要なさそうだ、と了平のおかしな観点に闘争心の火を灯す結果となった。

もちろん綱吉のファミリーに演技の心得がある者などいない。
まとまりのないファミリーを前に、綱吉はギブアップ寸前だった。

「うるせーぞツナ、オレはおまえの達の漫才見るために提案したんじゃねーんだ」
「そうだぜコラ!隼人のドレス姿が見たいんだぜコラ!」
「リボーン!?」
「コロネロ師匠、きてくれたのだな!」
こんなバカ騒ぎはやめさせようと家庭教師につめよる綱吉とは対照的に、師匠の登場でますますやる気になる了平。

そんな周囲の姿を黙って見ていた隼人が唐突に口を開いた。
「リボーンさん達がそうおっしゃるなら、オレ頑張ってこの任務まっとうします!」
「獄寺君!?」
「よく言ったぞ、獄寺」

私欲まるだしな赤ん坊の言葉に、なぜか頬を赤らめて応えようとする隼人。
「せっかくマーモンも脚本書いてくれたんだしな」
「楽しみにしてるよ」
隼人はすでにヒロインとして演技することへのためらいはなかった。

「あーもう!なんで獄寺君はこのチビ達には甘いかな!!」
隼人のアルコバレーノへの信頼はどこまでいっても健在だ。
子供嫌いと思われている彼だが、意外と子供の願いを断れないところがあった。

「ツナみてみて!ランボさん、時計うさぎだもんね」
もじゃもじゃ頭から白く長い耳を覗かせて牛柄の子供がステージそでから駆けてくる。
その首には確かに懐中時計を模した小道具が提げられていた。
「その耳は隼人につけるべきだろう!!って時計うさぎ?え、シンデレラってうさぎはでないよね…」

ストーリーの概要に不安を覚えた綱吉が脚本家に視線を向ければ、小さな影は自分の仲間である銀髪のロン毛になにかを巻きつけている。
「ターバン!?」
わけがわからないと舞台上のメンバーをみまわせば狼のきぐるみを被った了平やきこり姿の武、赤頭巾姿のクロームと猟銃をもった千種、薄手の着物を着た雲雀と世界観を無視しまくった役者がそろっている。

「んなー!どうなってるの!?」
「君はこれ」
困惑している綱吉にマーモンは一着の服をさしだした。
ゆっくりと衣装を広げた綱吉の口元がひきつる。
「…全身タイツに、かぼちゃパンツ?」
最悪だ、と額に手をあてた綱吉の耳に多くの感嘆の声が聞こえてきた。

「獄寺かわいいのな!」
「隼人、綺麗だよ!」
「隼人君!ああ、そのままどこかに閉じ込めてしまいたいですね」
「うむ、極限だ!!」
「獄寺ぁあーそーぼー!」
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