詩集★歌集★五七五

□「活発な暗闇」
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「活発な暗闇」

江國香織 編
いそっぷ社


江國香織が選んだ詩のアンソロジー。

ハードケースの帯には紛れもなく、
『江國香織が選んだ、とびきり美しく力強い詩をどうぞ−』
と書かれています。

にもかかわらず、江國香織の詩集だと勘違いしていました(^o^;

個人的には、わたしがこういう詩集にふれたのは、たぶん十代の頃以来のこと。
銀色夏生や相田みつを、竹久夢二あたりの詩画集などを別としたら……。

この詩集には、わたしが思春期の頃に読んだ詩人の、未知なる作品も数多く収録されています。
さすが、同世代(?)江國香織のアンソロジー。
 
思いがけなく嬉しかったのは、「アメリカの鱒釣り」で人気を得たリチャード・ブローティガンの詩や、村上春樹の翻訳小説で日本でも有名になったレイモンド・カーヴァーの詩にも出逢えたこと。

江國香織自身の訳詩を6篇含む、59篇の詩が味わえます。
すべて読みやすい新漢字表記なのも、嬉しいかぎりです。
まさに至れり尽くせり。

オトナになりきりたかった頃に、暗闇を探った純粋さを懐かしく思い、かつ、現実のオトナとしての新たな暗闇を彷徨うひとときとなりました。


2003.4.30 初版発行
\1,600



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