† CP †

□† YHxCH †
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…それは、
本当に不意に湧き上がり、
襲い掛かってきた、

…衝動。




「連言繋心」
∽「唇」∽




「うんっ…!?」
「……」


…空間に満ちる、
なんとも言えない、微妙な沈黙…。

普段は穏やかな光を宿している
綺麗なアーモンドアイが、
大きく見開かれ、
激しく揺れている…。

綺麗な、綺麗な、
黒曜石色の瞳……。

そんな瞳に映っているのは、
それとは対照的に、
どこまでも静かな、
深い、深い、
黒曜石色の瞳……。

それらが、
本当に、本当に、
間近で見詰め合っている……。


「……」
「……」


…さらに続く、
なんとも言えない沈黙の刻…。

…それは、
彼等、東方神起内の“お母さん”こと、
ヒーロー・ジェジュンが
深い溜息を吐くまで続き……。


「…チャンミン、それぐらいにしとけよ〜…。」
「…はい、ジェジュンヒョン。」
「……」


…何事も無かったかのように、
普段通りの冷静な口調と態度で、
東方神起の末っ子、
チェガン・チャンミンは
ジェジュンに向き直った…。


「……」
「…ユノ、大丈夫?」
「……」


…“茫然自失”を絵に描いた様に、
立ち尽くしたままの
アーモンドアイの青年…。
東方神起の頼れるリーダー、
ユノ・ユンホ…。
ジェジュンが声をかけるも、
…戻ってくる気配は、無い…。


「いっそ、もう一度されれば、
衝撃で戻ってくるんじゃない?
チャンミン、試してみなよ!」
「はい。」
「や、止めなってばっ…!!」


心底楽しそうに、
そんな助言をしたのは、
東方神起内の長男、
ミッキー・ユチョン…。

そして、
素直にそれを実行しようとするチャンミンを、
必死な感じで止めたのは、
東方神起内の次男、兼、ペット、
シア・ジュンス。


「…うん。やめとけ…?」


溜息混じりの声でその動きを制すると、
ジェジュンはリビングの椅子から立ち上がり、
ゆっくりと歩き出した…。


「ジェジュンヒョン?」
「…これじゃミーティングにならないだろ。
今日は、ここまでにしとこ?」


ジェジュンの言葉に、
その場に居たメンバーは各々頷きをかえし、
リビングを出て行く…。

…後には、チャンミンと、
呆然としたままのユンホだけが残された…。


「……」
「……」
「………」
「………ユノヒョン」
「…………」
「……ヒョン」
「……………」
「…すみません」


呼んでも反応を返さないユンホに
小さく、形ばかりの断りを入れると、
チャンミンは先程のユチョンの助言を実行する…。


「……や…やめろってっ…!」
「…流石、ユチョンヒョン…」
「……」


本当に戻ってきたユンホ…。
チャンミンは助言をくれたユチョンに対し
いささか妙な感心と賛辞を贈った。

…ユンホは、そんなチャンミンを取巻く
あまりにも常と変わりない空気に
深く溜息を吐くと、
どこかふらふらとした危なげな足取りで
リビングのドアに向かって歩き出す…。


「…ヒョン?」


一度、自室に入っていったユンホ…。
チャンミンも後を追い、
自分の部屋でもあるそこに入る。
…が、
ユンホが、置いてあった鞄を掴み、
そのまま直ぐに部屋を出て行くのにつられるように、
自分も鞄を持ち、
また、後を追った…。


「……どうして付いて来るの?」
「…ヒョンの足取りが“らしく”ないからです。」
「……」


“「誰のせいだよっ…!!」”と、
大声で叫びたいような気もしたが、
…気力が湧かず、
口から出たのは二度目の深い溜息…。

…その後は無言のまま歩き続け、
気付けば、駐車場……。

自分の車の横で立ち止まった己の一歩半後ろで、
やはり立ち止まるチャンミン……。

…数秒待ったが、
一向に立ち去る気配は、無い…。

…三度目の、深い溜息…。


「…どうぞ?」
「ありがとうございます。」


短い言葉で、
ユンホはチャンミンを
車のドアを開け、
助手席へと導いた……。






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