† TREASURE †

□†『終わりのときまで…』†
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『終わりのときまで…』



“「僕は、キュヒョナがいい。
キュヒョナ以外の“『恋人』”なんて、いらない。」”


甘い、“『記憶』”。

月日がどれだけ巡ろうとも、
決して色褪せて欲しくない…、
鮮やかなままであって欲しいと、
…そう願わずにはいられないほど、
大切で、
大切な、
“『記憶』”…。

自分を見詰める真剣な瞳。
強い心と、確かな意志を、
ありったけ詰め込んだその瞳と、声。

久しく忘れていた涙が、
不意に溢れそうになるほどに
心動かされたのを、覚えている…。


「…朝…か…」


幸せな夢を見て目覚めると、
自分の腕の中に、その“「幸せ」”の寝顔…。

穏やかで、安心しきっているかのような、
その、“幼く”さえ見える顔…。

…心から、思う。

これ以上の「幸せ」は無い…と。


そんな、至上の朝…。


「…ぅ…ん…?」


微かな声と共に、
ゆっくりと開かれる漆黒の瞳…。

薄く開かれたかと思うと、
すぐにまた閉ざされ、
しばらくパチパチと瞬きを繰り返している…。


「…よく、眠れた…?」


可愛らしい仕草を見せる恋人に、
自然と浮かぶ笑み…。

その笑みもそのままに、静かに問いかける。

これまで、何度となく、
繰り返されてきた“「朝」”…。

この後、半覚醒状態の恋人…、
ミニヒョンは、きまってただ、黙って頷く…。

そして、ふわっ…とした笑みを浮かべ、
甘える猫のように
そのしなやかな身体を俺に摺り寄せ、
無防備にその全てを預けてくる…。




…何度となく、
繰り返されてきた“「朝」”…。

…これからも、
何度となく繰り返されていくであろう“「朝」”…。


“(…いや、繰り返していくんだ。)”


心の中、強く、誓う。


「…キュ…ヒョナ…?」


不意に自分を抱き締めた俺の名を、
ヒョンがまだまだ眠そうな声で、
訝しげに呼ぶ…。


「…終わりの時まで、一緒にいましょうね…」
「……」


“(…ずっと、ずっと…)”


返事の変わりというように、
俺の背に廻されてきたヒョンの腕…。

…受け止めるように、
その暖かさに誓うように、
俺は、ヒョンを抱き締める腕に、
そっと、力を込めた…。









『終わりのときまで…』
2012/11/1
<完>


熾音様


相互リンク、ありがとうございます!!

『終わりまであなたといたい』…ですよ。
いてほしいですよ、ほんと…。

…昔、某・CPで書いた話のリメイクで、
申し訳ないんですが、
よろしければ、お納めくだされでござる(笑)

完全新作は、またの機会に〜…(泣)

それでは…。



孤蝶

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