† 長夜ノ御題 †
□03:妄執の楔(CHxYH)
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深く、
激しく、
貴方に穿つは…
<長夜ノ御題>
03:妄執の楔(もうしゅうのくさび) 「ぁっ…!…はっ…ぁ…っ…」
轟かす、指…。
上がる、声…。
チャンミンの端整な顔には、
皮肉気な、笑み…。
「…いけない人ですね、貴方は…。」
「はっ…!…なっ…に…?」
愛しい人の体内に差し入れた、
己の、指…。
たいした時間をかけたわけでもないのに、
それは既に、三本にまで、
その本数を増やしていて…。
「…知りませんでした。
一体、何処で、誰に、抱かれてきたんです?」
「あっ…!…だ、抱か…て、な…いっ…!
そん…なの、な…いっ…っ…!」
「…こんなに、慣らされているのに…?」
「うぁっ…!な…らされて…んか、な…いっ…!
チャ…ミ…が、はじめ…ああっ…っ!!」
…探り当てた、その、場所…。
跳ねる、しなやかな、その、肢体…。
「…嘘は、嫌いなんじゃないんですか?」
「うそじゃ、なっ…いっ…!!…はぁっ…」
必死に、言葉を紡ぎながら、
それでも、なお、
敏感に反応するユンホの身体…。
チャンミンの“笑み”が、
その“深さ”を、増す……。
「…いいですよ、もう…。」
「…えっ…?ツッッッッッッ…!!??」
静かに、引き抜いた指…。
変わりに押し入れた、己の欲望…。
一瞬、息を詰めたユンホ…。
次の瞬間、上がる、“悲鳴”…。
ソレを聴きながら、
チャンミンは、思う…。
“忘れてしまえばいい…”
…と。
忘れてしまえばいい…、
僕以外のことなんて……。
僕以外に感じることなどないように、
“僕”を、刻み込むから…。
僕だけを、覚えていればいい…。
深く、
激しく、
貴方に穿つは、
“妄執の楔”…。
03:「妄執の楔」
<終>
2010/6/17
孤蝶