フェローシリーズ
□台本
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A「なぁ。お前はお父さんに甘えたいとか思わないのか?」
C「え?なに?いきなり」
A「思わないのか?」
C「え……だって……父親ってアイツだろ?うーん。ねーなぁ」
A「もったいない!!俺は父さんに会えないのに、お前は目の前にいるじゃないか!」
C「うん。だけどな?俺の父親というけどな?よく考えてみろ。あいつの好きなものは?」
A「え?お兄さんだった、俺の……父さん?」
C「そうだ。それで、お前はよく似ている、らしい。だから、俺よりもお前の方がアイツは好きなんだよ」
A「……そうかなぁ?」
C「お、噂をすれば」
F「噂?何の噂をしていたんだい?」
A「あー父さんの好きだったものっておじさん知ってるかな〜って」
F「おじさん!!」
C「やっぱりこうなるのか。おじさんの響きにじーんとしてるよ。まったく」
F「そうだね。可愛らしい兄上は、よくワニが好きで食べていたよ。可愛らしい微笑みで肉を切り分けてくれていた」
C「え?それ、可愛らしい、であってるのか?」
A「父さん。一体……あなたは一体……」
F「そして、自分でとってきた大蛇をお酒につけて飲むのが好きだったなぁ。みんなにお酒を配るときの笑顔といったら!それはもう可愛くて!!」
C「おい。なんだか、可愛いから程遠いがいいのか?」
A「父さん……あなたは本当に一体……」
F「本当に兄様は可愛かった!!」
C「今のどこに可愛らしい要素が!」
A「全然、わからない。似てるって言われるけど、俺、そんな要素ないけど」
C「確かに。どこが似てるんだ?」
F「あぁ、好みは違うみたいだね。でも、得意げに笑う表情がそっくりだよ」
C「表情……が、好きなのか?」
F「うん?大好きだね。あぁ、そうだ。お土産だよ。アンジェくんに」
A「わぁ〜。これ、肩当?高そう。本当にいいんですか?」
F「あぁ。それは君にだよ」
A「あの、じゃあクラトには?」
F「ん?ないよ?」
A「え……あの」
C「いいんだよ。俺は……別に」
A「でも……」
F「なんだい?お土産。欲しかったのかい?」
C「んなこと、言ってねーだろ」
F「ふぅん。素直じゃないねぇ。まぁ、俺の子だし、しょうがないか」
C「なっ!」
F「ほら」
C「んぐっ!」
F「第一大陸産の珍しいチョコレートだよ。好きだろう?あと……これをあげるよ」
C「な……なんだよ。これ」
F「母さんの写真が入ったブローチだ。ちなみにそのブローチは、おばあさんの形見だよ」
C「んなっ!そんな大事なもんを土産で渡すんじゃねぇ!!」
F「え?なに?いらないの?」
C「誰もそんなこと、言ってねーだろっ」
F「いるんだね。ホントに素直じゃないなぁ。ふふっ」
A「あの……フォレスさんは……クラトのこと……好き……ですよね?」
F「ん?んー……ふふっ。嫌いじゃないよ」
C「なんだよっ。それっ」
F「ふふふふっ。さてと。そろそろ、行くかな」
A「今度はどこに行くんですか?」
F「ん?んー内緒♪」
A:Cと幼馴染であり親友
C:グランツェ=フェローの息子
F:グランツェ=フェロー