立海の物語
□第7話「二人の男の子」
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休日の日曜日。
いつもと変わらぬ朝練の始まり。
だけど、いつもと一つ違うことに青年が寝ぼけ眼で見渡す。
切原「あれ、藍野はどーしたんスか?」
柳「彼女なら今日は休みだ」
切原「げ…唯一のオアシスが休みかぁ…」
真田「赤也、お前は藍野を使ってサボる気だったのか?」
背後からやってきた真田に切原は首が取れるんじゃないかと思うほどに首を左右に振って「ま、まさかぁ〜」否定する。
ジャッカル「体調でも壊したのか?アイツ結構動き回っていたし…」
真田「いや、今日は東京にある実家に荷物を取りに行っているそうだ」
ジャッカル「実家?荷物?」
丸井「え、莉奈の奴東京に行ってんの?なんで?」
真田「……同じことを何度も言わせたいのか」
ジャージに着替えた仁王、柳生、ガムを噛みながら駆け寄る丸井の三人がコートにやってくる。
そう。
今日は新人マネージャーである莉奈の姿はなかったのだった。
柳生「ご両親は海外で共働きになってしまったらしく引っ越してきたそうですよ」
ジャッカル「わざわざ神奈川に出てくる必要はないんじゃないのか?」
柳生「なんでも神奈川には親戚の方もいるということで引っ越したらしいんです」
リストバンドの位置を直しつつ、柳生はジャッカルの質問に答える。
「へぇ」と素直に聞く彼に対して丸井と切原はどこか不満顔だ。
丸井「つか、なんで莉奈のことそんなに詳しいんだよ」
切原「そうっスよ!俺も初耳っス!!」
柳「我々も昨日、彼女から聞いたばかりだ」
真田「さっさと着替えて帰ったのはお前達だろ」
丸井「マジかよ…」
切原「タイミング悪〜…」
ならば彼等は文句は言えない。
帰ってしまっていたのだから。
そんな二人に仁王はニヤニヤと笑みを浮かべて口を開いた。
仁王「ここに来る前は『氷帝』にいたらしいぞ」
丸井「……」
切原「……」
ジャッカル「……」
「「「 氷帝!!!? 」」」
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