沖神

□気に喰わねぇ
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 今日もまた、公園であのピンク頭を見つけた。
 俺はもちろん迷わずに声を掛けた。





 気 に 喰 わ ね ぇ





「おー、チャイナ。
 こんな昼真っから公園にいるとはずいぶんと暇そうだねィ」

 俺はもちろん、けんか腰で話しかける。
 いつもよりは幾分か言い方が優しかっただろうけど。
 すると、ピンク頭がこっちを向いた。

「お前に言われたくないネ。
 この税金ドロボーが」

 あぁ、やっぱりこう言うか。
 こいつは、いつもこうやって返してくる。
 あ、そうだ。こういうのはボキャブラリーが無いっていうんだ。 

「こうやって見回りをするのは立派な仕事でィ」

「いつもサボってるくせに何を言っているアルカ」

 また口喧嘩がはじまったな、とか周りのやつは思っているんだろう。
 これから戦闘がはじまるのを察知した奴等はすぐにこの公園から逃げるようにしていなくなっていく。
 俺も、そのほうが都合がいい。
 チャイナとは思いっきり戦いたい。もちろん、仕事をやるよりか数倍は楽しい。

「あいかわらず生意気だねィ」

「やんのカ、コルァ!?」

 ああ来た来た。
 これを待っていた。
 いつもこれを楽しみに公園に来ているんだ。
 

「・・・と思ったけど、お前とはもう戦わないアル」


 戦闘態勢に入ったら、急にそういわれた。
 ていうか、「と思ったけど」ていうのは言葉の使い方がおかしくないかィ?と思ったのは口に出さなかった。
 今は、そんなことを気にしている余裕が無かったから。

「はィ?」

 なんで、どうしてこいつはこんなことを言っているんだ?
 いつも楽しそうに俺と戦ってるくせに、(それは気のせいだというツッコミが聞こえるような聞こえないような)

「銀ちゃんと約束したネ」

 出た。
 こいつの口からは聞きたくないやつナンバー1の男。
 一人の男としては、尊敬しているけど、たまにこの人が嫌いになる。
 
「もう、お前とは戦わない、って」
 
 チャイナは、旦那の言う事しかきかねーからな。
 妙に納得してしまっている自分のことをへんに思った。


「じゃあナ」



 気に喰わねェ
 
 旦那の言う事を聞いているチャイナも、

 チャイナと約束なんかしている旦那も、

 こんな事気にしている俺自身も、

 何もかもが気に喰うわねェ。








end
 

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