連載

□新たな問題児
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「あー、転校生ってか留学生が来た
 みんな仲良くするようにー」

 3年Z組担任の坂田銀八がいつものようにだるそうに頭をかきながら言った。
 周りはいつもよりもっとざわざわしている。

 ていうか、このクラス留学生多くない?
 
 こう思っているのは僕だけじゃないはず。
 あくまでも、はず、だけど。
 このクラスはバカばっかりだから気づかないかもしれない。
 先生ももしかしたらそんなことに気づいていないかもしれない。
 あれ、かもしれないばっかだ。

 そんなことを考えてたら先生が開けっ放しだった教室のドアからぴょこっとピンク頭が出てきた。 
 神楽ちゃんの髪の毛とそっくりで、少しくせっけがある髪の毛。
 すると、いきなり叫び声と(立ち上がって)椅子が倒れる音が聞こえた。

「なんでお前がいるアルカァァァァァァァァァァァァァ!!」

 もちろん、この声の主は神楽ちゃんである。
 先生を筆頭にクラスの人はみんな目をぎょっとさせて驚いている。
 ・・・・・・わけが無い。
 神楽ちゃんが意味不明なことをするのはもうみんななれているから、一人たりとも驚いている人はいなかった。 
 教室に入ってきたピンク頭の人は、そんな神楽ちゃんを無視して先生の隣に立った。
 神楽ちゃんのあつかいになれている僕たちのようにちっとも驚いていない。
 そして、口を開いた。

「どーも、中国から来た神楽の兄の神威です
 これからよろしく」

「じゃあ、席はあのゴリラの前な」

 先生が指差している先はもちろん風紀委員長の近藤さんだ。
 みんな、そのまま普通にそのときを過ごそうとした。
 
 ーが、しかし。

「待つアルゥゥゥゥゥゥゥゥ!」

 これはもちろん神楽ちゃんの叫び声だ。
 そのおかげで、僕たちは我に返った。
 
「神楽ちゃんのお兄さんんんんんんんんん!?」

 と、僕を筆頭にざわざわ(いや、ぎゃーぎゃーというべきか)しはじめた。








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