鰤二次文(長編)

□◇ 無なる思い
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煌々と輝く月のような方。
私は・・・その光から逃れるべきだったのでしょうか?
たとえ光が届かぬ場所などないのだとしても・・・

でも私は・・・待ち受けるその腕(かいな)に飛び込んだ。
『ただひとりおまえだけを』と私を望む白哉様の瞳に抗うことができなかった。
私も・・・同じだったから。


****************


『千本桜』の言に私は疑念を抱いていた。

だが緋真を腕に抱きしめた時、
私は『朽木白哉』を棄てていた。
何の躊躇もなく、何の感慨もなく・・・その意識もなく。

嘲るような声がした。
景厳、と。
『千本桜景厳』と。

私は悟る。
その銘の意すら忘却しても構わぬ程の、
『無』に等しい『思い』を。



fin
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