バトテニ

□バス
2ページ/4ページ

真田視点


一番最初に幸村から渡されたメモは衝撃的と言えば衝撃的だった。


『気付いてる?確信はないんだけど‥俺たちBRに巻き込まれたみたいだ。
盗聴されてる恐れがある。トランプやるふりして筆談してほしい。』


「よし、じゃぁ誰から引く?」

「あーん?俺様からに決まってんだろう。」



ババ抜きをやりながらの筆談。後ろの方の席だからあまり気付かれていないだろう。


数日前に幸村が“変な夢を見たんだ”と告げた時、今回の合宿への違和感がでてきた。

そして、今日、合宿のバスで改めて思った。

俺たちは巻き込まれたんだと。





幸村はやっと普通の生活に戻れたのに‥なぜだ‥。


あんまりではないか‥



俺たち二人だけの思い過ごしならと、後ろの席の跡部と手塚にもメモを回すことにしたが



やはり勘の鋭い二人もそう思っていたようだ。


表向きは混乱を避けるため、ここだけで共有している情報。


内心は‥思い過ごしであり、ただの合宿であるという現実を少なからず望んでいるから





甘い‥甘すぎる‥

弦一郎‥お前は自分に甘すぎるぞ。




次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ