「……とうとう来たね、この時が」

「ああ。とうとう来たな」


会議室、突然座っている一人の小柄な男が口を開き、それに続いて後ろに立っていた黒服の男も口を開いた。


「あ、あの、十代目……?何が来たんですか…?」

「よくぞ聞いてくれたね隼人!!」


発言した人物、自身の右腕に指をビシッと指す。

現ボンゴレファミリー十代目一一一沢田綱吉は先程守護者を全員会議室に緊急収集をかけたのだ。


「ねぇ、いい加減話してくれない?早くしてくれないとさっきから視界に入ってくるパイナポーを噛み殺したくなる」

「ほう?それは僕への挑戦状ととりますよ、パッツンアヒル」

「極限に早く用件を言え!ロードワークの時間が減ってしまうではないか!!」

「て、テメェら!十代目に何て口の聞き方しやがる!!」

「まぁまぁ獄寺、いつもの事じゃねーか」

「お、俺も早くボヴィーノに戻らないと…」


守護者全員が意見を述べていると黒服の男、リボーンがニヤリと笑った。


「ツナ」

「うん。この分だと成功だね」


二人でボソボソと話す。
しかしその様子を見て不快に思ったのか、守護者は段々苛立ちを覚える。

それを得意の直感で見抜いたボス、綱吉はニコリと笑った。


「皆、今俺達はイタリアにいる。ケド俺達の大半は日本人だ」

「お前ら最近忙しくて気付いて無いみたいだけどな」

「今日が日本で何の日か、分かる?」


そう言ってゆっくり立ち、カツカツと大きな扉の方へ歩く。


「日本の今日……、あ!」

「ハハッ!そういう事か!」

「ワォ、成るほどね。君らしいよ」


獄寺、山本、雲雀はソレに気付いたようだが他の三人はまだ気付かないようだ。


「お前らは思い出したか。一部は忘れてるみたいだがな」

「まぁいいよ、今からハッキリするんだから!」


そう言って扉を思いっきり開けた。


「「「あ」」」


気付いてなかった三人の声が後ろから聞こえてきて、綱吉はクスリと笑った。

扉の向こうには巨大な会場の中に、下っ端からあの群れを嫌うヴァリアーまでもがいた。
誰もが笑顔でこちらを見ている。

そして舞台には『2010』と書かれた幕が広げられている。


そして綱吉はクルリと振り返り、息を思いっきり吸った。






一一一さあ、新年会を始めよう!








一一オマケ



「それにしても凄いご馳走ですねぇ。一体何時から企画してたんですか、綱吉君」

「ん〜、12月の初めから?」

「そんなに早かったんスか!?」

「え、じゃあこの所忙しかった理由って…」

「このパーティーの費用集めの為だぞ。この俺がきちんと計算してやったんだ」

「いやぁ、皆ごめんね?って、雲雀さん?どうしたんですトンファーなんか出して…」

「じゃあこの間綱吉の仕事が回って来たのは…?」

「あ、はは…この準備が忙しくて、つい……」

「面倒だったんだよなぁ?ダメツナ。今回のに紛れて皆にやってもらおーとか言ってたじゃねーか」

「わ!馬鹿!リボーン!!」

「……綱吉君…?」


守護者全員が笑顔でそれぞれの武器を取り出す。


「え、ちょ、皆、冗談キツイって!は、隼人!」

「スミマセン十代目、ありがたくパーティー楽しませてもらってます」


獄寺はそう言って豪華なご馳走を口にする。
どうやら止めてくれないらしい。

唯一の頼みの綱が消えてしまったようで、綱吉は顔をサッと青くした。


「ぅわあっ!!?皆待ってよ!!」


守護者が綱吉に向かって走る。
当然の如く綱吉は死ぬ気で逃げる。

そんな様子を見て部下達は酒を飲みつつ「またやってるぜ、ウチのボスと守護者の方々」などと笑っていた。


「笑ってないで誰か助けてよーーッ!!」

「自業自得だダメツナ」


アハハと会場中が笑顔で溢れ出した。
そしてその笑顔で溢れた会場に誰が言ったか分からない言葉が響いた。



「2010年も俺達ボンゴレファミリーは変わらないな!」






END


十年後設定でCpは……無い、ですね(笑
新年そうそう変な小説スミマセン^_^;

この小説はフリーです!

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良いお年を!!

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