小説
□雨の日は‥
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雨が降ると、寂しくなって‥無性にあいつに会いたくなるんだ‥。
《今日の並盛は曇り時々、雨となるでしょう、》
今朝の天気予報では、キャスターがこう述べていた事を記憶している。
なのに、これの一体どこが曇り時々、雨なのだろう。
今日は休日。だけど、風紀の仕事があるからいつものように登校。曇り時々、雨と言ったから傘を家に置いてきた。
だが、校舎に入った途端、土砂降り。正にバケツを引っくり返したような豪雨。
「有り得ない‥」
悪態をつきながら応接室へと足を運ぶ。
応接室のソファーに腰掛け、資料を開く。
いつもなら、すぐ集中できるのだが‥雨足があまりにも酷く、なかなか資料に集中できない。
「‥‥‥」
資料を机に放り投げ、ソファーに寝転ぶ。雨が止むまで仮眠するのだ。
瞼を閉じて数分、ふとあいつが脳裏に浮かぶ。
雨の日はいつもそうだ。無性に寂しくなってしまって、他人の体温を欲してしまう。
「‥‥ッ‥」
少しでも温まる為に体を抱きかかえる。
震える体を抱いていると、いつの間にかに意識を手放し眠