小説
□ちいさなひばり
1ページ/14ページ
ある日を境に、雲雀は小さくなってしまった。
「クフフ‥可愛らしい姿ですね♪」
原因はこの変態‥じゃなくて、骸。
コーヒーに幼児化の薬を盛られ早五分。
「むくろ!!はやくもどしてよ!!」
鋭い瞳も小さくなれば可愛らしくなる。
「この薬は一週間続きますので、僕にはどうすることも出来ません」
見た目が5才児になってしまった雲雀はポカンと口開けたまま骸を見つめた。いや、見上げた。
「たまには良いではないですか」
ヒョイと抱き上げられ、骸の顔が近くなる。
「よくない!!」
ペチペチと顔を叩く。だが、骸にとっては痛くも痒くもない。
「おや、もうこんな時間ですか」
時計を見れば、針が12時前を指している。
「今日はオムレツで良いですか?」
ふわふわしている髪を撫でながら問う。
「うん」
こくりと頷く姿は可愛らしく愛らしい。
「では待ってて下さいね」
小さな雲雀をソファに下ろし、キッチンへ立つ。暫く経つと、良い香りが漂ってきた。
「出来ましたよ、恭弥」
骸はトレーに二人分の食事をのせてキッチンから出てくる。
「いまいくよ」
.