氷帝

□憂鬱な時間


『ねぇねぇ』


右手の人差し指でトントンと前の席の日吉若の肩を叩く


そしてそのまま頬のところに指を構える



「なんだ?」



こちらに振り向いた日吉の頬はぷにーっと潰れた




『いえい』



ブイと反対の手でピースサインをつくった


「…」



若は私を無言で睨む


「はぁー」



そしてため息をついて向こうをむいた



『ひーよーしー』



「のばすな、煩い」



『酷ッ』



なんか最近冷たい日吉



私のこと嫌い?なんて聞けない



だって友達以上の関係を日吉は望んでいないと思うから



『日吉最近冷たいよ…』



ボソッと独り言


いーもん


そして私は席を立って友達のところへ行った



「…人の気も知らないで」


日吉がそう呟いたのは知らなかった
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