立海

□落ちるとこまで落ちてみる




「難しく考えるな」



柳は私に言った


難しく考えるよ



だって貴方のことだもん


…ー


『柳』


テニス部のマネージャーをしている私は、練習のことで教室で本を読んでいる柳に声をかけた



「なんだ?」



柳は読んでいた本から目を離し、私を見た



『れ「練習のことだろ?



『わかってるなら聞かなきゃいいじゃん』


「お前は部活のこと以外で教室まで来ないからな」



私のこともこのデータマンはしっかり把握している



「今日の練習メニューならそこの紙に書いてある」



机に伏せてあった紙を指す


『違うの』


「じゃあなんだ?」


珍しく私の行動が読めないらしい



確かに予想外の行動だろう



自分でも予想外だから



『次の休みが知りたいの』


「用事でもあるのか?」


『そういうわけじゃないんだけど』



私は話の切り出し方に困った



「次の土曜だ」


柳が答えてくれた



『ありがとう…』



「まだ何か言いたそうだな」



この時私は何とも言えない顔をしていただろう



「難しく考えるな、話してみろ」



私が悩む時はいつもこう言ってくれる


私はこくんと頷いた



一回深呼吸をして



『その日、デートしませんか?』



やはり予想外だったらしく少し驚いた顔をした


そして笑った




「もちろんだ」



私の胸は高鳴った





私は貴方に
落ちるとこまで落ちてみる



end

[表紙へ戻る]

ゲームブックを検索



©フォレストページ