Long

□16th
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「どうしたんですか?」


「おお、渚クン!」


呼び出されたということは任務なのだろうが、いきなりのことだったために渚は制服で来てしまった。


すぐに着替えればいいだけなのだが、いつもは特務エスパーの制服でいるために少し違和感を覚える。



桐壺の方をしっかりと見ると、すぐ近くで空間が歪む音がした。


「何かあったんですか!?」


その方向を見れば、皆本とチルドレンの3人が目に入った。


どうやらこの人たちも呼び出されたらしい。


つまり、任務だということだ。



「先ほど、予知課から連絡があったんです。」


柏木が説明し出した。


「今日の午後2時頃、某所で高超度エスパーによる超能力の暴走が…」



「そこで、君たちに行ってもらって暴走する前に取り押さえてほしいのだヨ!」


エスパーの保護もできるかもしれないしネ、と付け足す桐壺。



「でもまだ結構時間あるんじゃないの?」


「せや。まだ8時にもなってないで?」



「ウム、早いうちに知らせておいた方が心の準備もできると思ってネ。」


彼の言うことはもっともだ。


その方がいきなり出動よりは対策も考えられる。



「あの、何も言わずに学校を出てきたんですけど…」


不審がられないだろうか、渚は心配になってきた。


「そのことなら、私から学校側に病欠すると言っておいたから大丈夫よ。」


「あ、ありがとうございます。」


それならば大丈夫だろうと思ったが、あることに気が付く。


「…あ……」


「ん?どうかしたのかネ?」


「あ、いえ、何でもないです。」



放課後、兵部はどうなるのだろうか。


だが彼ならばこの予知のことも知ってるかもしれない。


そんな心配をするのは傲慢だろうか。



迎えに来てもらう、一緒に帰るという行為が当たり前になってしまったと改めて思い知らされ、渚は苦笑してしまった。



「私、着替えてきますね。」


そう告げると、柏木はいってらっしゃいと言うように小さく微笑んで頷いてくれた。



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