Long
□2nd
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数分後、渚は自分が住むマンションの下に着く。
今のマンションはバベルから近く、かなりいい場所なのだ。
だから瞬間移動も使わずに歩いて移動していた。
しかし、これからはそうもいかない。
「明日からは瞬間移動か。」
誰に聞かせるでもなく渚は小さく呟いた。
そして、あることに気がつく。
マンション横にある公園から、声が聞こえてこない。
いつもなら子供が遊んでいるはずのこの公園。
しかし今日は楽しそうな声は聞こえず、ブランコが風で揺れる音だけである。
気になって様子を見に行ってみると、そこには学生服を着た同い年くらいの銀髪の男の人が居た。
ジャングルジムの1番上に座っている彼。
黙って見ていると、彼は渚に気付き、にこやかに微笑んだ。
なんとも形容しがたいその人物。
不思議な雰囲気を漂わせる彼に惹かれ、渚は近づいた。
すると、いきなり身体が地面から離れ、気付けばジャングルジムの1番上で彼の隣りに座っていた。
「やぁ、こんにちは。」
「…こんにちは。」
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