Long

□11th
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今日は特別な任務もなく、渚の仕事は早く終わった。


だから約束通り、薫、葵、紫穂、皆本、賢木を家に招いた。



全員でマンションの入り口に瞬間移動する。


玄関前に連れてきてもよかったが、それでは招待した感じにならないと、彼女は地上に連れてきたのだ。



「すっげー、渚ちゃんここに住んでんの?」

「そうだよ。」


「局長もよう許したなぁ…」


「渚さんだからでしょ。他の人なら絶対に住ませないわよ。」


紫穂の言葉に渚は再度自分の我儘を自覚させられた。



「とりあえず、上がろっか。」


6人でエレベーターに乗り、最上階へ。


玄関前に到着すると、渚は鍵を取り出しドアを開けた。


「どうぞ。」



彼女を先頭に次々と部屋へ入っていく。



チルドレンは声を揃えて、お邪魔しまーす!と元気よく言った。


「お邪魔します。」


「お邪魔しまーす。」


そして皆本、賢木も同じように言葉を発す。


「いらっしゃい。」


それぞれが礼儀正しく挨拶したあと、渚も返した。



「うわー、中もすげー!」

「ホントに一人暮らしなん!?」


「うん一人暮らしだよ。あ、その辺で寛いでて。私今からご飯作るね。」



「僕も手伝うよ。」


「俺も手伝う。」


「いいですよ、休んでてください。修兄も休んでて。」


「でも…」


「皆本さんほど上手じゃないかもしれませんけど、私も少しは料理できるんですよ。」



厚意で手伝おうとしてくれているのはわかっているが、客に家事を手伝わせるのはやはり忍びない。



「じゃあ、作ってきますね。あ、お酒無いけどどうしたらいいかな…」



「あぁ、酒なら一応持ってきたぜ。」


彼女が困ったように言えば、賢木は鞄から酒を取り出す。


「お前、こんなところで飲むのか!?」


「いやぁ、言われたから取り出しただけで別に飲むとは言ってないだろ?」


持ってきてる時点で飲む気満々じゃないか、と言う皆本に渚は苦笑した。


「じゃあ冷やしとくね。」

受け取った酒を持ってキッチンに向かい、それを冷蔵庫へ入れる。



そして彼女は夕食を作り始めた。



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