Long
□9th
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「京介さん、か…」
自分の部屋に戻ってきた渚は小さく呟いた。
ご近所さんというか、お友だちというか、微妙な位置関係。
その名称は曖昧だが、一緒に居てすごく楽しい人だと思う。
そんなことを考えたとき、携帯が鳴った。
「はい。」
「渚、ちょっといいか?」
相手は賢木だ。
「どうしたの?」
「いや、さっき皆本から言われたんだけど、今度あいつらを家に呼ぶんだって?」
「あ、うん。修兄にも来てもらえると嬉しいけど、やっぱり忙しいかな?」
「いや、参加させてもらうよ。それが言いたかったんだ。」
「え、そうなの?」
「あぁ。日が決まったら教えてくれ。」
「わかった。」
「じゃあな。」
「うん、おやすみ。」
そして彼女は電話を切った。
ゴタゴタして何も考えていなかったが、チルドレンや皆本、賢木を招待していたのだ。
だが日付は彼らが決めてくれるため、自分はただ待つだけ。
「楽しみだなー。」
薫も葵も紫穂も本当にいい子で可愛いと、渚は思い耽った。
「これからもっと仲良くなればいいな…」
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