Long
□6th
1ページ/4ページ
「なぁ、賢木先生。渚ちゃんといつ知り合ったんだ?」
「ウチも聞きたい!」
「私も!」
チルドレンは賢木に聞き出した。
「俺と渚の出会い、か…」
彼が皆本の方を見ると、無言でいたがかなり聞きたそうな顔をしている。
「…確か、9年前だったかな……」
――9年前―――――
中学を卒業した賢木はバベルに呼ばれ、その本部へとやってきた。
いつかのESP検査の結果を見て、スカウトしたいのだろう。
受付で名前を言うと、彼は局長室に行くように言われた。
「失礼します。」
ノックし、賢木は局長室に入る。
「君が賢木修二クンだネ?」
「はい。」
「実はね、君にはバベルに入ってほしいのだヨ…」
「…………」
予想通りの話だと、彼は黙っていた。
検査など随分前からやってきたのに、今さらバベルに入るなんて。
実際は違うのかもしれないが、賢木からすれば社会から逃げるのと同じだった。
「嫌、かナ…?」
当然だ。
「何で…」
桐壺が理由を尋ねようとしたその時、扉をノックする音が聞こえた。
.