短編

□春風にのって
1ページ/1ページ



"桜の木の下で告白すると成功する"
誰が言い出したのかもわからない噂。
そんなことを信じているワケじゃないけれど。




冬なのにどこか暖かかったあの日―確かこんな日を小春日っていうんだ―彼に出逢った。

桜の木の下。彼はキャップを深くかぶって気持ちよさそうに眠っていた。
あんまり気持ちよさそうだから興味がわいて傍に寄った。
幼い顔立ち。今思えばあの時すでに私は彼に惹かれていたのかもしれない。




"桜の木の下で告白すると成功する"
誰が言い出したのかもわからない噂。
そんなことを信じているワケじゃないけれど。
あなたに出逢ったのは桜の木の下でした。


だからここで伝えよう。






春風にのって
(届け、私の想い)





+
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ