:)

□気付いた気持ちは/甘
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その気持ちに気付いてしまった





「切原くん?」

『え、ああ、あぁ!なにっ!』



なんか考え込んでるね、なんて言ってくる。優しい奴なんだなぁとか思っちまった。俺、どうかしちまった。



『なんもねぇ!』

「そっか、それじゃあとりあえず…」



“手を動かしてください”、怒られた。

だから、俺にはこんな文化祭とかそゆしおりを作ったりとかは向いてないんだってば。まじでだる…



「切原くん!終わらないよ!」

『…ごめ、やるってば』



こいつ、以外と厳しいのな。いや、以外でもないかな、真面目なかんじだし、いや、真面目ってか学級委員とかしてるから真面目も真面目なんだけど、え―っと…



「…切原くん、」

『え!あ!ごめん』

「…いや、いいの。私がやってって言っちゃったから…やっぱり部活、行きたいよね」

『え、や、その』



どっちかっつぅと、ぶっちゃけ部活にあんま行きたくなかったんだよな。
だからお前が誘ってきてくれたときはラッキーだと思った。



「気使わなくていいよ、ごめんね」

『いやいやいや!いいって!俺部活ちょっとサボリたかったからってゆうか!』

「…じゃあ、私が嫌なんじゃないの…?」

『いや!全然!』



そのとき、お前が よかった って言いながら下を向いて顔を赤らめているのがすげぇ可愛いくて、俺は不本意ながらドキッとしちまった。

それからは俺もしゃべれなくて、あんたもしゃべってこなかったから会話はなくて、黙々と作業をした。


やっぱり“ながら”はよくないな、と思った。だってすぐに終わってしまったから。



「やった、お疲れ様っ!」

『お、お―っ』

「あとはこれを生徒会に渡せばいいんだけど、それはやっとくから!」

『いいのか?』

「それが私の仕事だからね!」



なんだこいつは、無駄にかっこいい。

それから俺たちは帰る用意をして、それぞれの行くべきところに行った。



「じゃあ、切原くん!ありがとうっ!」



また明日ね、って言って別れたお前の後ろ姿を俺は自然と目で追ってしまっていた。



気付いた気持ちは

(もう止まらない、明日はもっと好きになる)
















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