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□タイミングとか/甘
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クリスマスだというのに王者立海テニス部は容赦なしに練習を入れる。よって中学最後のクリスマスもいつもの変わらないメンバーで過ごした。毎日同じ顔ぶりで居るから、変に1日空くなんてちょっと考えられないし、私は暇をしなくていいから丁度いい、と思ってるってのは2の次で、ほんとは単純に雅治と一緒に居れることが嬉しい。
うちの家と雅治の家まではそう遠くなくて、雅治は冬になって日が沈むのが早くなったら一緒に帰ろうって誘ってくれる。だから私は冬が凄い好き、単純だけど、好き。脚が私よりもはるかに長い雅治は普通に歩けばもっともっと早く家に着けるのに、私にあわせて歩いてくれる。そういうちょっとした優しさみたいなとこが、きっとモテる理由なんだろうと思う。勿論テニスだって凄いうまいし、ルックスだって…まあ要するにちょっとばかし世界が違う。
『今年も部活じゃったのう』
「そだねえ」
『真田は何を考えちょるんかのう』
「、強くなることじゃない?」
まあそうじゃのって言って少し寂し気に笑う。つられて、私も笑う。クリスマスなのにって言う雅治に話を合わせるけど、私はむしろ真田に感謝をしたいと思う。
『お前さんも暇じゃのう』
「暇じゃなくて、マネージャーは仕事だから!」
『強がり』
「違うから、」
『彼氏の1人もできんのか?』
「、いらないもん」
『強がり』
「うるっさいな」
まずは言葉使いから直さんといけんのうとかいやらしい口調でイヤミを言われた。自分の言葉使いが汚いのくらいわかってるけど、直そう直そうと努力したって雅治の前では上手く作れないんだから、仕方ないじゃない。彼氏もいらないもん、雅治じゃなきゃいやだから。高望み。
「、彼氏なんかいらないし」
『さっき聞いた』
「…あっそ!」
『まあ、俺じゃないとお前さんに付き合えるヤツなんかおらんしのう』
「…は?」
『そう思わん?』
タイミングとか
(…おんなじこと考えてたし、)(ははっ、クリスマスに付き合うなんてロマンチックじゃのう)(付き合うなんて言ってない!)(へえ、)(…嘘、付き合って、)
2007/12/28 (C)mika.