HÅyaRiGAmi
□馳せる熱※
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腰紐を解き、浴衣が肌蹴る。
風海も色白な方ではないが、小暮の浅黒い肌に比べると、どうにも男らしさに欠けたような気分になった。
だが、肌と肌が直接触れ合い、そして互いの熱が馳せてゆくと、こんなにも幸せな瞬間があるのだろうかと感じてしまった。
「…ぁ、…ッ」
「は、…」
風海が小暮の脚間に手を伸ばせば、小暮も同じように風海を扱く。
肉体的な快感は自分で自分を慰めているような感覚に似ているが、精神的にはもっと高い所を目指しているような気がした。
「っ…!」
手の中で弾ける精。
躰が絶頂に達しても、まだ風海と小暮の欲情は終わらなかった。
ひとつになりたい
ふたつの躰を溶け合わせたいと、渇望した。
「小暮さん…僕に…」
風海が熱で浮かされたような瞳で小暮を見つめる。
一瞬小暮の目に不安が過ぎったが、それでも「はい」と小さく頷いた。
後ろから腰を高く持ち上げられ、
「いッ!…ぁ…!」
太く熱い肉塊が風海の体内へ押し込まれる。
潤滑するのは唾液と、先ほど吐き出した互いの精液だけ。
初めての痛みに風海は息を詰めて耐えた。
しかし、先端が入った瞬間、風海の後孔は、ズッと一気に小暮の熱芯を飲み込んでしまった。
「あッ…ぁぁ!」
風海の内壁を捲るように力強く腰を振る小暮。
腸にかかる圧力と痺れるような快感で、嬌声を我慢しようにも口から漏れ出てしまう。
卑猥な湿音とベッドの軋む音、そして風海の声と小暮の息使い。
すべてがふたりを興奮させた。
「ああっ!…も…、イクッ…はぁ!」
風海が小暮に訴えた。
小暮はそれに返事もせずに勢いよく風海の最奥へ己を何度も突き刺した。
そして絶頂を迎える瞬間、
小暮は風海を 名前で呼んだ。
…ふと窓の外を見ると、夜の闇に雪がまだ降り続いていた。
そしてこの上階の部屋から見下ろす街の灯りと車のテールランプの列はキラキラ輝くイルミネーションのようだった。
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