夢ノ世界
□愛スル人ヨ今イズコ
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そう。その日は十月十日。
忘れもしない運命の日――――・・・
あの日のことは今でも忘れない。
枯葉が落ちて、歩くと乾いた音がした。
攘夷戦争の真っ只中。
天人や人が斬られ血の匂いが鼻をついた。
そんな時に産まれたのが、坂田銀時。
私の息子――――・・・
銀髪で天然パーマという不思議な髪型を持ったその子は
私と幸せな時間を過ごす事ができなかった。
元々私は病気があったのだが
攘夷戦争に参加。
そして、この子を産んだのだから、もう永くはない・・・・
松陽先生にこの子を預けて、
私は、再び戦争に戻った。
あれから20数年。
何とか私は生き延びたが寝たきり状態。
否、植物人間といったほうが正しいくらい弱ってしまった。
もう、会えないだろう。わが息子
愛スル人ヨ今イズコ――――
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