花
□《手紙》
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《手紙》
『雲雀恭弥様
恭弥さん。俺の事……好きですか?
まだ、好きでいてくれますか?
いつものように、優しく俺の頭を撫でてくれますか?
他の人には見せない……俺だけに見せてくれる綺麗な微笑みを浮かべてくれますか?
愛おしそうに目を細めながら、耳元で愛を囁いてくれますか?
勝手に行ってごめんなさい。
貴方より先に逝ってしまって、ごめんなさい。
そして……貴方を一人にさせてしまって、ごめんなさい。
貴方に言ったら、止められる分かっていましたから……最悪『だったら一緒に行く』と言われそえだったので、黙って行きました。
貴方を巻き込みたくなかったから……
でもそんなのは、俺のエゴですよね。
ごめんなさい。
それでも貴方と一緒に行くことは出来なかったから……
こんな勝手な俺ですが、恭弥さんにお願いがあります。
過去から俺が来ます。
俺だけど、俺じゃない俺が。
力になってあげて下さい。
傍にいてあげて下さい。
守ってあげて下さい……。
最後の最後まで勝手でごめんなさい。
貴方に嫌われてしまったかもしれないけど、それでも俺は好きです。
大好きです。
本当にごめんなさい。
そして、ありがとうございました。
沢田綱吉』
「……なに、これ?」
自覚があったんだ。
覚悟があったんだ。
死ぬ覚悟が……
そんな覚悟必要ないのに。
君が死ぬ必要なんて……
君がいなくなって、僕の時間は停まったみたいだ。
世界に色が無くなった……
君がいない世界なんて…考えられない。
でも確かに今、君はいない。
「こんな手紙書くぐらいなら……」
その後の言葉は続かなかった。
どうせ君は何を言っても聞かないんだ。
だったら……
「何してたんだい、沢田綱吉」
「雲雀さんっ!!」
君の最期の頼みを聞いてあげる。
END