□《寂しいの》
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「んー…38.5度……完璧に風邪ね」

「…そう」

「今、お粥と薬持ってくるから、待っててちょうだい」

「かあさん」

「なに、きょー君?」

「……綱吉には部屋に入らないように言っといてくれる?風邪…あの子に移したくないから…」

「分かったわ。ちゃんと伝えておくから安心して」

「ありがとう」




扉の閉まる音と同時、部屋に静けさが戻ってきた。ただ、ベッドの上で寝ている部屋の主の苦しそうな息遣いと、時折激しく咳込む音だけが響いていた。



《寂しいの》




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