■夢の間■
□紅の月-5
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今から訳1万年ほど昔、ある小さな村に1人の少女がいたの―…
彼女は何の変哲も無いただの女の子だったー…
ただ1つの力を除けば。
「セレス…ヘレンが悪魔付きだそうだ。行ってくれるかい?」
『ラミィおばさん…わかりました、今晩伺いますとお伝え下さい。』
彼女は悪魔払いを行うことが出来たのだ。
血に力を持って生まれた、生まれながらの退魔士。
村人は彼女を【聖女】と呼び称えた。
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『セレスです。ラミレスさんにお聞きしました。ヘレンが…』
「おぉセレス様、よくいらしてくれました。娘は二階です。」
出迎えてくれたのはヘレンの父、グラディス叔父だった。
『叔父様…私にその様な言葉を使われる必要はありません。私は貴方の姪ですよ?』
苦笑気味に返した。
「そうもいきますまい、貴女は村を救って下さる方…敬わぬ訳には行きませんよ。さ、お上がり下さい。」
少し困ったように微笑むと彼女の入室を促した。
『……わかりました…』
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<いつも孤独だった。皆が神に等しく娘を称えていた。
…彼女が欲しかったのは……彼女を真に信じ必要としてくれる【仲間】だった。
神は力を与えても仲間は与えては下さらなかったから。>
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孤独の中娘は村を守り光の中で生きていたー…
あの日までは。