(一護)


強さは人一倍
同じように脆さ弱さも人一倍
そんな彼女は今日も笑う

「あんたまた喧嘩したんだって?」
「やだなー、たつき」

ケラケラ笑い話の輪にいる彼女
見た目は普通の女子高生
しかしこれで大の男複数人を伸してしまうのだから驚きである

「正当防衛だよ、あれは」
「過剰防衛の間違いだろ」

呆れ顔で返された言葉にもケラケラと笑う彼女の心はどこにあるのか
ふ、と目があった彼女を片手で呼ぶと、不思議そうな顔で近付いてきた

「っえ、ちょっと一護!?」

近付いてきたところで俺は席を立ち教室を出た
驚きの声をあげた彼女が後ろについて来ている事を横目で確認して屋上への階段を上る

「一護?」

屋上に出て、俺を見上げる彼女の頬を摘んだ
非難の声を上げるが、知った事ではない

「ばーか」
「………ん」

本当は恐かったはずだ
伸した男たちも、伸してしまう自分の強さも
それでも恐怖した事を受け入れて弱くなる事はもっと恐い
彼女はそういうやつだから

「笑ってんな」

弱さも恐怖も、俺が代わりに背負ってやるから
少しだけ休んどけ
教室に戻ればどうせまた笑うんだろう?


>>かめんがーる
(心はいつだって雨)


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
感謝感激雨霰!!!
一言ありましたらお願いします。






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