血濡れた情報屋
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「そろそろ戻ります」
「あ、雲雀さん帰って来たんですか?」
風が教えてくれる彼の帰り、時計を見ればきっと日が暮れているであろう時間。
「えぇ、遅くても三十分以内には帰って来ます」
ニッコリ笑った夢奈をビアンキは呼び、手招きした。
夢奈はそれに従い、部屋に行くと持たせられた袋。
「また何か必要な物があれば言いなさい」
「ありがとうございます」
長居はできないここで生活する上で必要最低限の物は揃った、と夢奈は思ったが言葉にはしなかった。
ニコッと笑ってまた来ます、と言って雲雀邸に戻った。
「ユナ、ユナ」
戸が閉まるなり、聞こえた声に笑みを零した夢奈は迷う事なく声の方向に歩みを進めた。
「オカエリ、ユナ、オカエリ」
「……ただいま」
姿が見えたヒバードの言葉に夢奈は少し戸惑った。
そしてゆっくり返すと、ヒバードは夢奈の頭の上に乗り、落ち着いた。